海外で着物を着る

オペラを観に海外へ毎年出掛けているのですが、スーツケースに着物や草履、バッグ等一式を持って行きます。
着物に関連した物だけでもかなりの重さがあるのですが、やはりここぞという時には着物を着ています。
日本にいても年に一度着るかなという程度なので思い出すのに時間がかかってしまうこともありますが、たまたま隣町に住んでいる友達が着付けの先生を長い間していたので、出掛ける前にはいつもそこでおさらいをして貰っているので安心です。
友達は必要以上に紐を使わず細いベルトを2本使い着物や襦袢の衿を決めます。
長い時間着ていても苦しくなくて着崩れがしないという凄い技を持っています。
でもやはり現地では誰にも助けて貰えないので、ホテルで何回か着る練習をして舞台当日を迎えます。
一番気に入っているのは、成人式の時に母が買ってくれた着物がありそれを三姉妹が着て何年か後に染め直して作り直してくれた着物です。
母は生涯を通して着物しか着ない人でしたので家の近くにあった呉服屋さんとも懇意であり、父も着物を着ることが多い仕事をしていましたので、子供のころから着物に馴染む機会が多かったように思います。
落ち着いた深い紫色に染め直した生地に、白に近い淡いピンク色の百合の花が描かれている縮緬で、身体に馴染んで着心地がとても柔らかで好きな着物なのです。
着物のプロの方に笑われてしまうかも知れませんが、帯は塩瀬の白い帯をします。
完璧な組み合わせではないのは承知なのですがお太鼓は結ぶのに力がいるし、とにかく結び安いという事が最大の理由ですが、あくまで海外で着るので多めに見て頂こうという気持ちで着ています。